還暦記念 「いいモノには訳がある」シャツ編

 2月2日でとうとう還暦になりました。

 

今年は2022年、全て2並び、そして寅年(年男)、

良い事が待ってるのか、悪い事が待ってるのか・・www

 

 

正直言って自分が還暦を迎えることは想像できませんでした。

サラリーマン時代に自律神経をヤラれ、四面楚歌状態・・

退職後、ある程度復調するも以前の生活に戻ることはできず、騙し騙しの日々・・

 

しかし、苦しいこと悪いことばかりではなく、いろんな経験・体験に結びつき、モノ・コトの見え方が変わりました。

 日本の四季、自然、食物、生活、etc...

 

これらの見方・考え方が自分だけでなく周りの人にも役に立つ事が多く、プラマイゼロになってるのかもしれません。

さらに、しも町への移転移住が大きな転機になったようで、こうして無事に還暦を迎えられました。

 

そのしも町の面々にお祝いをしていただき感謝感激雨あられ・・

今後も何かの折に自分にできる事でお返ししていこうと思っております。

  

 

  

 

未だに不都合な点がありますが、それ以上に、なかなかできない経験から得た知識「モノ・コト」があります。

今後もそれらを活かして参りたいと思います!

 

 

 

誕生のルーツ、生家がオーダーシャツ屋だったことが服好きになるきっかけかもしれません。

新潟で1軒だけだったので、マイノリティーな感覚も自然と身についたのかも・・笑

 

今回はそのシャツの良し悪しについてご紹介します。

 

「ASYLUM」をスタート(1998年)する前から、たくさんのシャツに触れて、様々なシャツを着てきました。
また、オーダーシャツを作る現場にも従事してたので、生地・縫製を見るのはお手のもの。

 

生地の生産国の特徴、体型による裁断パターン、縫製の特徴、etc...

 

そんな「作り手・買い手・売り手」の経験から「良いモノ」をお伝えすべく、

誰でも分かる脇の縫い合わせで見るシャツの良し悪しについて、掘り下げてご紹介します。


この【脇の縫い合わせ】をチェックするだけでも、簡単な良し悪しの判断材料になると思います。



【巻き縫い+伏せ縫い】 オススメ度 ~10


本格的なシャツの縫い合わせです。
歴史と伝統のある高級シャツに用いられてます。


高級シャツ専門ブランドは、だいたいがこの手法です。
同じ所を2種類の手法「巻き縫い+伏せ縫い」で縫い合わせてます。
 *「地縫い+本縫い」とも言います。

両方の端を巻き込みながら縫い合わせた後、縫い目を伏せながら縫い上げてます。
裏側のステッチとステッチの間隔が狭い程、ミシン目が細かく「丁寧な仕事」になります。

素肌で着ても邪魔になりにくく、とても丈夫です。

 

 *表に1本裏は2本ステッチが見られます



 
 


 
 






【地縫い+折り縫い】 オススメ度 7~8


一般的なデザインシャツにに多く見られる縫い合わせです。

「巻き縫い+伏せ縫い」と比べるとミシン目もやや粗めでカジュアルな手法です。
2枚を縫い合わせた後、端を折り返しながら縫い上げてます。

 

 *2本の縫い目の間隔が広いのが特徴で、表に1本裏は2本ステッチが見られます



 裏
 

 表
 


 







【2本針・3本針】 オススメ度 7~10


ワークシャツやアウトドアシャツの縫い合わせです。
ワークブランドのシャツなどに見られます。

ご覧の通り、2カ所(または3カ所)をチェーンステッチで一気に縫い上げる手法です。
道具的アイテムに用いられてるだけあってとても丈夫です。

 

 *表裏ともにステッチが見られます。(裏チェーンステッチ



 裏
 

 表
 







【袋縫い】 オススメ度 5~6


カジュアルシャツの縫い合わせに見られます。


「地縫い+折り縫い」より更にカジュアルな手法です。
2枚を縫い合わせた後、端を折り返しながら縫い上げてます。

 

 *ステッチは表に出ません



 裏
 

 表
 






【ロックミシン】 オススメ度 ~5


量産品のシャツに多い縫い合わせです。

 

 *ステッチは表に出ません。(裏ロックミシン


 裏
 

 表
 







【番外編】


縫い目を見せるデザインです。

 

デザインのひとつとしてステッチ方法を変えてます。


ロックミシンで端を処理した後、太めの糸で縫い目が見えるように縫製しています。


 裏
 

 表
 


 



Attention & Advice 
*同じ手法でも、ミシン目が細かい方が良い仕事と言えます。
*同じブランドでも、年代やファクトリー(製造国含む)によって縫製手法が変わる場合もあります。





今の日本の縫製技術(俗に言うジャパンクオリティ)は、素晴らしいものが多くなりました。
食物だけでなく、服も「Made in Japan」を意識してもいい時代です。

とは言え、洋服が日本に定着して1世紀ちょっと・・・
まだまだ欧米諸国の伝統・カルチャーには適いません。


「いいモノには訳がある」のです。